事 業 紹 介


     〜吊り編み機による企画・生産〜

〜吊り編み機とは〜

明治の40年代から大正の初めにかけて、ヨーロッパから
日本では和歌山に初めて入った丸編み機の原点の機械です。
当時は別名「スイスツール」と呼ばれ、
アメリカ、中国に現在数台あるトンプキン編み機とは
構造は異なります。
元来、天竺組織のみしか編めず、戦後に高級肌着を編む為に使用され
和歌山の職人が天竺以外の組織も編めるように改良をして
裏毛などのスウェット生地が生産出来るようになりました。
現在では和歌山のごくわずかな工場でしか稼動していません。
糸の持ち味を壊さずに、編み目にゆとりを持たせながら
ゆっくり丁寧に編み上げていく事で
今のシンカー編み機には出せない風合いが出ます。
その表面は手編み感覚であり、
吊り編み機の操作は長年の経験とセンスが要求されるもので
現在では実際に操作出来る職人は5〜6人しかいません。
後継者もほとんどいないのが現状です。和歌山の中でも、
吊り編み機を稼働しているのは、
3社のみで全ての編み機を合わせても、200台くらいです。
そのうち当社は150台稼働しており、
その内訳として100台は常時稼働し、
50台は新企画開発に当てています。

〜吊り編の特性とは〜

吊り編み機は、現在の主流である高速機の約180分の1の生産性で
1台で1時間1m程度、1日約7着分のスウェット生地しか出来ません。
1本の糸を髭針(ひげばり)を使い、糸に負担が掛からない様に
編み目にゆとりを持たせながらゆっくり丁寧に編み上げていくので
糸そのものの柔らかな風合いをこわす事無く
生地にする事が出来ます。
熟練の職人が時間を惜しまず丹念に編み上げていくという
手作り感覚の生地は、ヴィンテージ独特の風合いになります。
まるで空気と一緒に編んでいるかのような絶妙なボリューム感があり
ソフトでいてコシがあり、洗っても縮みが少ない為
ほとんど型くずれはありません。
伝統の機械と職人の技術がうまく融合し、歴史に裏付けされた独特の
風合いと品格をもった、究極の限定品です。

吊り機での26間、28間、32間は薄くてソフトな
ハイゲージ素材が出来ます。
当社にしかない「まぼろし」の編機です。
着心地良く肌感覚のエレガントな生地です。


〜企画から生地アップまで〜

海外のテキスタイル展の情報収集から国内の糸・生地の展示会、
情報誌や市場の流れをくみ、社内会議にて、各得意先に対しての
ターゲットを絞り込みオリジナルの企画を出しています。

紡績・技術者との新しい糸作りに関しての打ち合わせをして
糸に合った編成を編みの技術者と構成します。
原材料は世界中から厳選して紡績は日本製にこだわっています。
糸に対してこだわりを持つ分、編み機に対してもこだわり、
納得するまで編み直す事を徹底しています。
糸の特性を活かす染色・仕上げを検討して
染工場と打ち合わせをします。
紡績・ニッター・染工場とラインを組んで
協力して行く事が大切です。

当社の生地企画の中で最も重要なポイントは
オリジナルの糸を作る事です。